今回、國學院大學観光まちづくり学部より依頼を受け、横浜の観光まちづくりをテーマとしたスタジオ演習で用いるための、巨大な都市模型を作成しました。この模型は、PLATEAUで公開されている衛星写真を活用したもので、縮尺は1000分の1、サイズは縦5m×横6mの巨大模型です。
■幅広いまちづくりの検討ツールとして
この巨大な地図は、耐久性の優れたターポリンに印刷したものです。まちの上に実際に乗って、俯瞰で見渡すことができるほか、近づいてストリートファニチャーのような詳細なまちの風景までイメージすることができます。この地図を使うことで、容易にランドスケールや都市空間を参加者同士で共有することができる点が最大の利点です。
■PLATEAUデータの活用
今回用いた衛星写真のデータは、国交省の『PLATEAU』で公開されています。その衛星写真をベースとし、線路や駅名、主要施設、航路、等高線等の線と文字の情報を重ね合わせ、一枚の地図として情報を可視化しました。
さらに、主要施設の模型製作にも、PLATEAUの3D建物データ(ファサード)を活用しています。これは、3Dモデル作成アプリ(使用アプリ:Blender)を用いて、ファサードをUV展開し、illustratorで印刷用データに編集、レイザーカッターを用いて模型切り出しを行っています。
■学生参加型の建物模型作成
レーザーカッターで切り出したパーツは、学生自身が組み立て、実際に都市模型に設置してもらいました。実際に手を動かすことで、建物スケールを把握し、実際の建物を置いてみることで都市に一歩近づくことができます。都市模型に対する愛着も。
■都市模型の使い方
- 寝そべって考える
- まずは靴を脱いで、地図の上に乗ってみる!
- スケール感を比較する
- 参考とする都市や施設などを同じスケールでプリントして比べてみる!
- みんなの思いつきを書き込み、見える化する
- トレーシングペーパーをつかって、みんなで思いついたことを書き込んでみる!
- 資源や課題をプロットし、傾向を顕在化させる
- 発見した資源や課題をポストイットでプロットしてみる!(いくら貼っても地図は埋まらない)
- 人の活動を想像する
- 人の活動が想像できるのは1/1000スケールならでは!
- 都市構造を俯瞰する
- 1/1000スケールのまま都市を俯瞰するのは、ディスプレイでは不可能!
- みんなで輪になって考える
- 1~6のメリットを最大限活かして、みんなで考える!
PLATEAUデータを活用し、まちづくり検討ツールとして学生参加型の都市模型を作成しました!